『愛がなんだ』
先日、話題の日本映画『愛がなんだ』を観てきました。
これが傑作だったので、この映画をご紹介します。ネタバレはしないようにします。。
この映画主人公はアラサーのOLである山田テルコ。山田守(マモちゃん)に片想いをし、マモちゃんのことだけを考えつづけている。しまいには自分の仕事よりもマモちゃんを最優先しすぎて、仕事をクビになってしまう。
一方山田守ことマモちゃんだが、一言でいうとクズ男である。こんなにテルコに愛されていても、テルコのことをパシリにしたり、自分の好きな女と上手くいかず、テルコにエッチを要求したり、、、都合のいい女扱いである。
そんな二人の物語なのですが、原作は角田光代さんの同名小説。キャッチコピーに「<全力疾走>片思いラブストーリー」とあるのですが、原作も映画もそんな生易しいものではないです。。
そもそも片想いというのは、たいてい報われないものです。非モテだったぼくもさまざまな経験をしてきました。ただ、そうであったとしても、片想いをしているその瞬間は愛おしくもあり、幸せでもあります。
そんな報われない片想いに全力を注ぐテルコを演じる岸井ゆきのさんと、徹底したクズ男である成田凌さんの演技だけでもすごくいいです。終盤の二人のやりとりは名シーンで、「あ、テルコにスイッチが入った!」と思わせる演技はさすがだなあと思いました。
また原作にないラストシーンは、ファーストシーンのクローズショットと似たようなショットなのですが、それが何に焦点を当ててるのか注目です。そのカメラが横にパンした先にいるのは…ちょっとゾッとするシーンとなっていて、ここまでくるとホラーだと思いました。(ここは人によって解釈が分かれそうですが。)
主演の二人もいいのですが、この映画のある意味救いでもあるのはナカハラくんです。
彼はテルコと同じように、好きな人がいるんだけど、彼女からは体のいいように扱われています。
ナカハラくんは彼女に尽くすのですが、見返りを得ることができません。彼女の命令を何でも聞いても、時には一緒に寝ることがあっても、恋人になることができず、彼もまた片想いに報われないのです。
ナカハラくんは途中で見返りがないことに疲れ果て、彼女を好きでいるのをやめようとします。そんなナカハラくんを自分のことのように感じました。唯一共感できる人物です。
そんなナカハラくんの名言「幸せになりたいっすね」を胸に刻み、ぼくは今日も誰かに片想いをするのだった。(本当にいい映画だから観ようね!!!)
でわでわ。